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みさき眼科クリニック@代々木上原

グレーゾーンの多い医療

医療に関して説明が難しかったり、誤解されることが多いのは、白黒はっきりつけられない部分が多いからかもしれません。


やったほうが良いこと(例:網膜剥離を手術で治すこと)と、やらないほうが良いこと(例:毎日はずすコンタクトレンズを入れっぱなしにすること、不要なステロイド剤をずっと使うこと)はある程度はっきりしていますが、その間にはかなりのグレーゾーンが存在します。


細菌性結膜炎に対して抗菌点眼薬を絶対使ったほうが良いかというと、何もしなくても治ってしまうことがありますし、治療しないと重症化するときもあります。アデノウイルスによる「はやり目」に特効薬はなく基本的には自然治癒を待つしかないのですが、状況によってはステロイド点眼が必要となります。グレーゾーンは病気そのものの特性だったり、個体差による反応のちがいだったり、時代により治療の方針が変わってきたことによります。


また「やったほうが良い」「やらないほうが良い」ということであっても、予測された結果とちがうことになることもあります。網膜剥離も自然治癒することが稀にありますし、コンタクトレンズを入れたままでも何も起きなかったり、ステロイドの副作用もすべての人に起きるわけではありません。起こる確率の問題とも言えますが、95%の確率で大丈夫と言われても残りの5%に入ってしまった場合はその本人にとっては100%の話になるわけで、「絶対に大丈夫」「絶対にこうなります」と言いきれないのが医療です。


最新の知見に基づき、病気や患者さんの特性を考え、そして経過を見ながら治療するあるいは治療しない、という方針を患者さんと相談していくのが医者の仕事だと言えます。一般的には治療したほうが良いとされている病気であっても、その患者さんの個人的な要素を考えると何もしないという選択をすることもあります。


なお、「保険が効く」「保険が効かない」ということと、その治療が効果あるかどうかは全く別の話です。保険が効いても大した効果がない治療もあれば、保険が効かなくても効果のある治療もあります。保険が効かない高額医療の中には怪しげなものもあります。グレーゾーンが多いところへお金の話がからんでくると、詐欺まがいのビジネスも出てきてしまい、最終的には医師、医療関係者の良心も必要となります。


Byみさき眼科クリニック@代々木上原

 

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