
アトピー性皮膚炎のある方の全員に目のアレルギー症状が出るわけではないのですが、時に非常に重症なアレルギー性結膜炎と眼瞼炎になることがあります。
写真はアトピー性皮膚炎があり、まぶたの腫れ、目の充血、かゆみが出た、という子どもの患者さんです。来院時に上下のまぶたが腫れと炎症による浸出液でくっついてしまい、目を開くことができないほど重症でした。他院で治療しているが治らない、と相談にいらっしゃいました。一番弱いステロイドの点眼と軟膏を使っていたそうです。アトピー性皮膚炎に伴うアレルギー眼症状には免疫抑制剤の点眼と軟膏が効果を上げることがわかっているのですが、これくらい重症の状態だと薬がしみてしまいうまく使えないこともあります。そのため今回は強めのステロイド点眼と軟膏を数日だけ使い、免疫抑制剤タクロリムスの点眼(タリムス)と軟膏(プロトピック)に切り替えました。こちらの写真は治療後の状態です。
ステロイド剤は眼圧を上げる副作用があり、これは子どもに出やすいとされています。そのために弱めの薬のみ処方されていたと思われますが、治療効果が出ないのであれば切り替える必要があると言えます。


