みさき眼科クリニック@代々木上原

目洗い 洗眼 プール

プールではゴーグル着用を、そして水泳後の水道水による洗眼は不要、という内容の論文を今年はいろんなところで取り上げてもらいました。

論文の要旨は
1 塩素系消毒薬をプールと同じ濃度にして洗眼すると、角結膜上皮に傷がつき、角膜上皮バリアーが破壊される。
2 水道水(プールよりは塩素濃度が薄い)による洗眼でも、眼表面を保護しているムチンが洗い流されてしまう。
ということです。
Pubmedへリンクしておきます。(英文ですが抄録あり。)

PMID: 18245965

論文内での方法が、実際の水泳ではないことと、洗眼時間が50秒と長いので現実とちがうのでは、ということ、またプールの水がウイルスや細菌に汚染されていた場合には洗眼したほうが良いのでは、という議論がされたようで、現在追加実験予定あり。
ゴーグルをすれば解決する問題のような気もしますし、健康法として水道水で洗眼するのが好きな方は結構いるので、それはやめてもらうように説明しています。

学校保健法はこちら。プール後洗眼の記載は実はありません。

文部科学省ホームページよりダウンロードできる「学校環境衛生管理マニュアル」。これには洗眼の設備が「清潔に保たれており」、「適切に使用されていること」とだけ記載されています。「洗眼せよ」とは書かれていません。
マニュアルが改訂されて、リンクが切れてしまいました。学校環境衛生基準のところにプールの衛生管理について書かれているので、リンクしなおしておきます。(pdf書類にリンクです。)

東京都のホームページで見ることができる例規では、「水泳後の洗眼」と書かれています。地方自治体でも大体同じ内容のようです。

と見てくると、現場でどうしたら良いのか混乱している、というのはよくわかりますね。皆様を説得できる研究結果をお待ちください。

追記:「文部科学省」のキーワードでも検索かける方がいらっしゃるようですが、研究費がおりたのは厚生労働省からでした。
厚生労働科学研究成果データベースにて概要を見ることができます。(直接リンクをはることができません。「プール」「水泳」「ゴーグル」などの検索語で出てきます。)

追記その2
ゴーグルありなしで実際に泳いでもらったところ、ゴーグルはしっかりと目の表面を守っていました。(当たり前ですが)

水泳後に「なにもしない」「洗眼水道でいつものように洗ってもらう」「生理食塩水の点眼をする」という3グループにわけましたが、ゴーグルなしで泳いだ場合、眼表面の障害はこの3つで差が出ませんでした。つまりは、プールの水にさらされて障害を受けた眼表面は目を洗っても治らない、ということです。

一つ残る問題は、プールの消毒が不十分でウイルスや細菌に汚染されていた場合に目を洗うほうが病気の予防になるのか、ということです。本当に比較するならゴーグルなしで泳いでもらい、目を洗うグループと洗わないグループで感染症の発生率が異なるか、という比較研究になるのでしょうけれど、ゴーグルの力を知ってしまうとやるのはいかがなものかと…。(私の個人的な見解ですが。)

追記その3

東京都医師会が出している「学校医の手引き」第7版と「児童・生徒の生活習慣の改善と学校医の役割」にも「プールの眼障害」ということでくわしく説明が載っています。都内の学校医には配られている冊子のようですので、学校での指導に困った場合は学校医にご相談ください。

Byみさき眼科クリニック@代々木上原

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