みさき眼科クリニック@代々木上原

抗がん剤TS-1と眼表面の障害

TS-1という抗がん剤はかなり一般的に使われているようで、当院にもこの薬による目の障害があり受診される患者さんがいらっしゃいます。
Ts1
この薬により、ひどいドライアイのような角膜上皮障害、結膜上皮の角膜への侵入、そして涙が鼻に流れていく涙小管の閉塞が起きることが知られています。重症ですと視力低下や痛みを伴うことがあり、患者さんを悩ませます。写真はTS-1内服中の方の写真ですが、角膜全面に傷ができていて、中央は渦のようになっています。

根本的な治療はTS-1をやめることなのですが、がんの治療に効果が出ている場合中止することもできないため、ドライアイの治療を行うにとどまります。ただ、がんの治療中に目の症状が出ても眼科を受診することまでは思いつかない方もあるようです。この薬を使っていて目の症状が出るようでしたら、一度眼科にご相談ください。

骨髄移植後にもひどいドライアイになることがあります。他科での治療中になんらかの目の症状が出た場合は関係があることも多いのです。

TS-1ほど報告数はありませんが、肺がん・膵がんの治療に使われるエルロチニブ塩酸塩(商品名:タルセバ)による角膜障害の報告もあります。この薬では睫毛が長くなる報告が多いのですが、EGFという角膜上皮の増殖・分化に大事な役割をはたしている物質の受容体を阻害するために角膜障害が起きるようです。皮膚の発疹も出ることがあるため、眼科ではヘルペスや帯状疱疹とまちがわれやすいとも言われています。

Byみさき眼科クリニック@代々木上原

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