みさき眼科クリニック@代々木上原

飲み薬で出る眼の症状

患者さんが「なぜこの薬を飲んでいることを眼科が知りたがるの?」と思うことが多い薬をあげておきます。以下薬の一般名称(商品名)となっています。

1. 抗がん剤
 抗がん剤が涙に排出され、眼の表面に障害を起こすと考えられています。また網膜に薬が効いてしまうものもあります。新しい薬の場合、副作用がよくわかっていないことも多いので、眼になんらかの症状が出た場合には眼科を受診することをおすすめします。「結膜炎」とひとくくりにされてしまうことも多いようなのですが、眼科医が診察するといろいろな症状があり、早めの治療が必要なこともあります。静岡県立がんセンターが患者さんへの説明としてまとめたページがあり、冊子のダウンロードもできます。こちら

テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン®、TS-1®)、フルオロウラシル(5-FU®):角膜に傷ができ、痛み、視力低下が出たり(写真)、涙の流れるところがせまくなり、涙があふれる症状が出ることがあります。
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エルロチニブ(タルセバ®)、ゲフィチニブ(イレッサ®)、セツキシマブ(アービタックス®):睫毛が長くなったり角膜に触るような生え方になることがあります。角膜に傷ができることもあります。

シタラビン(キロサイド®):角膜に傷ができたり、結膜炎になることがあります。

パクリタキセル(タキソール®)、ドセタキセル(タキソテール®、ワンタキソテール®):網膜にむくみが生じ、視力低下のほか、ゆがんだり小さく見えるという症状が出ることがあります。この薬も涙の流れるところが狭くなり、涙目になることがあります。


タモキシフェン(ノルバデックス®、タスオミン®、ノルキシフェン®):網膜のむくみやクリスタリン沈着、静脈炎、視神経炎が起きることがあり、視力低下、ゆがみ、色覚異常が生じます。

シスプラチン(シズプラチン®、ブリプラチン®、ランダ®):視神経炎のために視力低下、視野障害を起こします。

クリゾチニブ(ザーコリカプセル®):視力低下、まぶしさの訴えが出ることがあります。

イマチニブ(グリベック®):まぶたのむくみを起こすことが多いと報告されています。



2. 薬剤性眼瞼痙攣
 眼瞼痙攣は眼が開きにくくなる病気で原因不明のことも多いのですが、ある種の薬の副作用で起きることがあります。クロナゼパム(リボトリール®など)、エチゾラム(デパス®など)、トリヘキシフェニジル(アーテン®など)、ジアゼパム(セルシン®、ホリゾン®など)、という薬の報告があります。
 まぶしい、眼が乾く、ゴロゴロするというドライアイのような症状が出たり、人やモノにぶつかる、車や自転車の運転が苦手になった、手を使わないと開瞼できない、というドライアイでは通常あまり見られない症状が出ることもあります。重症であれば診察室に入ってきたときにすぐわかりますし、軽症でもまばたきがリズミカルにできるかというテストで診断つきます。診断には器械など不要なのですが、慣れていないドクターだと見逃していることも多いようです。
 なお「まぶたがピクピクする」という症状は「眼瞼ミオキミア」であることが多く、「眼瞼痙攣」ではありません。

3. 中毒性視神経症
真ん中が見えにくいという症状と色覚異常が出ますが、自覚しにくいこともあり、この副作用が起きるとされている薬を飲んでいる場合には定期検査が必要です。
結核の治療薬エタンブトール(エサンブトール®、エブトール®)中毒は良く知られています。
その他クロラムフェニコール(クロロマイセチン®、クロマイ®など)、イソニアジド(イスコチン®、ヒドラ®など)、ジスルフィラム(ノックビン®)、シスプラチン(シズプラチン®、ブリプラチン®、ランダ®)、タモキシフェン(ノルバデックス®、タスオミン®、ノルキシフェン®)、アミオダロン(アンカロン®など)などの報告があります。

4. インターフェロン網膜症
肝炎の治療に使われるインターフェロンにより網膜出血や白斑が出ることがあります。

5. 術中虹彩緊張低下症候群:白内障の手術が難しくなってしまう症候群です。排尿障害治療薬の報告が多くあります。塩酸タムロシン(ハルナール®)、ナフトピジル(フリバス®など)、シロドシン(ユリーフ®)、塩酸プラゾシン(ミニプレス®)、などです。そのほか、降圧薬の塩酸ブナゾシン(デタントール®)、ドキサゾシン(カルデナリン®)、ウラピジル(エブランチル®)、抗精神薬のリスペリドン(リスパダール®、リスパダールコンスタ®)、パリペリドン(インヴェガ®)による報告もあります。

Byみさき眼科クリニック@代々木上原

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