みさき眼科クリニック@代々木上原

ドライアイにヒアルロン酸点眼は効果が少ない

眼の一番表面にあるのが角膜ですが、その一番外側は上皮細胞が層を作っています。この細胞がすこしはがれてしまうのが点状表層角膜炎と呼ばれるドライアイのときなどに見られる状態で、もっと深くまで細胞がはがれてしまうのは角膜上皮びらんと呼ばれます。

びらんが治る過程では、びらんの部分にフィブロネクチンが出て、上皮側にはインテグリンがあり、この両者が接着して角膜上皮を再生していきます。ヒアルロン酸点眼はこの接着をうながします。一方ドライアイを治すためには角膜表面の水ぬれと水分を増やす必要があり、この作用はヒアルロン酸にはありません。また点眼したヒアルロン酸に眼表面の水分が吸われてしまい、かえってドライアイ症状がひどくなることもあります。

単なる傷であればヒアルロン酸点眼も効果がありますが、ドライアイであればジクアスやムコスタ点眼を使ったほうが効果的でしょう。

Byみさき眼科クリニック@代々木上原

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花粉症の治療は早めに

年があけるとそろそろ花粉症の話題が出てくる時期です。スギ花粉は大体バレンタインデーの頃に飛びはじめますが、その治療は少し早めに行ったほうが効果的という「初期療法」という考え方があります。一月末くらいから薬を使ってもらいます。

その人の毎年の症状に合わせて点眼、点鼻、飲み薬をそれぞれ使ってもらいます。点鼻薬は眼の症状にも効果があることがわかっていますので、両方使っている方も多くいます。早めに薬を使っても完全に症状がなくなるわけではないのですが、症状が軽くなる、症状の出る期間が短くなることが知られています。

当院でも点鼻薬、そして内服薬も処方していますので、ご相談ください。なお、スギだけにアレルギーがあるのか、他の季節に出るアレルギーの原因を知りたい、という人には採血検査を行っていますので、これもご相談ください。

症状がひどくなってからの治療ですと、ステロイドを使わざるをえなかったり、外来が混むこともありますので、早め対策をおすすめします。ふだんは静かな当院ですが、例年3月が患者数のピークとなっています。

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ドライアイの診断

ドライアイの自覚症状をスコア化するアンケートはいくつか知られています。DEQS、OSDIの二つが有名ですが、SANDEという二つの質問項目だけのものもあります。ドライアイ症状がどれくらい起きるかと、その重症度を尋ねるだけなのですが、スコアと他覚的症状とは一致するそうです。そして最近はスマホでドライアイチェックができるアプリ「ドライアイリズム」というものもあります。

いずれも自覚症状の程度を見るだけで、ドライアイの診断はつかないのでは、と思われそうですが、最近ドライアイの診断基準が変更されました。

以前は涙液異常、眼表面の傷、自覚症状の3つがそろわないとドライアイの確定診断とはならなかったのですが、昨年より
「BUT 5秒以下 かつ 自覚症状(眼不快感または視機能異常)を有する」
となり、眼表面の傷はあってもなくても診断には関係なくなりました。BUTとは眼を開けてから眼表面の涙液層に乾いたスポットが出るまでの時間のことです。だいたいこれは眼を開けていられる時間と同じなので、眼を長い間開けていられない、なんらかの眼の症状がある、という人はドライアイだと思ってもらって良いのでしょう。つまり、医者の診察がなくても診断がつくと言えるのですが、ドライアイのタイプによって効果が出やすい点眼薬が異なること、ジクアスとムコスタという眼表面のムチンを増やす点眼はまだ市販にはなっていないことから、治療するためには眼科医を受診する必要があります。ただ、ドライアイに興味のない眼科医だと、眼表面に傷がないとドライアイだとは思っていない可能性もあります。

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白内障手術後のドライアイ

白内障手術時には、点眼麻酔、消毒薬、手術中に眼を開けていること、術後の点眼薬、などの原因でドライアイになりやすいことが報告されています。

術前にドライアイがなくても術後に発症ということももちろんありますし、もともとドライアイがあっても治療していない人も多く、手術後に視力は良くなっても不満が残る、ということがあります。

眼表面の涙液層が乾くまでの時間=BUTが短くなるタイプのドライアイが多いので、ヒアルロン酸点眼よりムコスタやジクアスのほうが効果的と考えられています。

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鼻粘膜を刺激してドライアイを治す

鼻の中を刺激すると涙が出ることは、ドライアイを専門にしている眼科医にはよく知られていました。鼻刺激シルマー試験と呼ばれる、綿棒を鼻に入れて刺激すると涙が出るかという検査で重症ドライアイの判定をしているのです。

電気刺激を与えられる小さな装置Oculeveを鼻粘膜下に入れることでドライアイの治療をする方法が海外で報告されています。興味深いのは、この装置が涙の量を増やすだけでなく、眼表面を守っているムチンという粘液分泌も増やすことです。ドライアイの治療薬であるジクアスやムコスタはこのムチンを増やしますが、点眼だけでは治療効果がいまひとつの人に使える治療法になりそうですね。

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