みさき眼科クリニック@代々木上原

正確な度数チェックには点眼薬による検査が必要なことも

子どもは調節力(ピントを合わせる力)がとても強いため、普通に検査をしていると、どんどん近視側の見え方によってきてしまいます。そのため視力検査のときには、目薬(サイプレジン)を使ってこの調節力を取った状態で実際の度数を調べることをよく行います。

成人すると調節力は落ちるため、普通に器械で測っても大丈夫と考えられていますが、調節力を取る目薬を使って調べてみると成人(18-21歳と若い年齢の人たち)でも実際の度数と異なるという報告があります。(Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 2016, 254: 395-398.)

きちんと矯正視力が出ていて、特に何も症状がなければ追加の検査は必要ないと思いますが、眼精疲労が強い場合は、遠視が隠されていたり、使っているメガネやコンタクトレンズの度数が強すぎる可能性があるので、この点眼薬による検査を受けたほうが良いでしょう。ただ、この目薬は瞳が広がる作用があり、翌日はとても見えにくくなります。仕事をしている成人の場合には検査する日を選んでください。

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白内障術後黄斑浮腫

白内障手術は眼科の手術の中で最も多く行われている手術です。日帰り手術も多くなり、一般的には術後すぐに視力が出る簡単な手術のように思われていますが、手術ですので当然合併症(起きてほしくない色々な状態)もあります。

白内障術後の黄斑浮腫は、黄斑という視力に一番大事な目の中心部に手術後むくみが出てしまう状態です。当然視力は出にくくなります。この黄斑浮腫が起きやすいのは、水晶体の後ろの残すべき部分である後嚢を破ってしまったり、硝子体脱出という手術そのものの合併症のほか、高齢であること、黄斑上膜がもとからあること、ぶどう膜炎や網膜静脈閉塞症という病気をしたことがある、網膜剥離の手術を受けている、などの状態があります。糖尿病があると網膜症になっていなくても術後の黄斑浮腫が起きやすく、また糖尿病網膜症が重症であればあるほど起きやすくなります。(Ophthalmology 2016, 123:316-323.)

黄斑浮腫を起こさないようにするには、白内障術後に処方される非ステロイド系消炎点眼(商品名ではジクロード、ブロナック、ネバナックなど)を比較的長く使うことです。手術後の抗菌点眼薬が終了しても使うことがあります。手術がすべてうまくいっても、またこの黄斑浮腫を起こしやすい眼の状態がまったくなくても、この浮腫は1%程度起きると報告されています。手術後に視力がいまひとつの場合にはOCT(眼底三次元画像解析装置)でチェックしてみると簡単に診断がつきます。写真は術後の黄斑浮腫の状態(白丸で囲ってある花びら状の部分)と、その後回復した状態のものです。
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まぶたのタトゥーはドライアイを起こす可能性あり

アイラインを入れる部分に入れ墨(タトゥー)を入れている患者さんを時々見かけます。老眼になるとひきにくくなるアイラインですので、便利だろうなと思いますが、このタトゥーを入れる場所にはマイボーム腺という油の分泌腺があり、タトゥーを入れること自体で分泌腺が破壊されたり、タトゥー施術後の炎症で分泌機能が悪くなる可能性があります。

まぶたにタトゥーを入れた人でのマイボーム腺機能不全、眼表面の傷、ドライアイ所見が報告されていますので(Cornea 2015, 34: 750-755.)、注意が必要です。

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ヒアルロン酸点眼の濃度を上げてもドライアイは治療できない。

ドライアイ症状がなくならないと言ったところ、ヒアルロン酸点眼が0.1%から0.3%と濃いものに変更され、何度でもさしてくださいと指示されたが全然よくならない、という相談をいまだに受けることがあります。

ドライアイの症状によっては、ヒアルロン酸点眼はまったく効果がありませんし、濃い濃度を点眼すると目の表面の涙が点眼液のほうに吸われてしまい、かえってドライアイ感が出てしまいます。私は20年以上前からドライアイの診療をしていますが、ドライアイ症状がとても強いのにまったくヒアルロン酸点眼の効果が上がらず、その頃は他にドライアイの治療薬がなかったために非常に苦労した経験があります。目をあけてから涙の層に乾いたスポットができるまでの時間はBUT(ビーユーティー)=Tear break-up timeと呼ばれ、この時間が短い患者さんたちは自覚症状がとても強いのですが、良い治療法がなかったのです。ここ数年使えるようになったドライアイの治療点眼薬のムコスタやジクアスは、このBUT短縮型ドライアイに治療効果を上げています。もしドライアイの症状が強く、この二種類の目薬をまだ試していないのであれば、やってみる価値はあります。

またときに訴えのある症状がドライアイによるものではないこともあるので、他の眼科で相談するのもひとつの方法でしょう。

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白内障手術は将来不要になるか?

ラノステロールという物質は眼内のレンズである水晶体にもともとあるものですが、この物質がうまく働かないと白内障になることがわかり、このラノステロールが白内障の治療薬になるのでは、と言われています。(Nature 2015. 523:607-611.)

ただこの報告では、取り出した水晶体をラノステロールにつけたり、動物に投与するのも眼球内への注射ですので、点眼治療ができるとしてもまだ先の話になりそうです。

現在処方できる白内障の治療薬のカタリン、カリーユニは進行を遅らせることができるかも、という薬であり、白内障自体を治すものではありません。

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